結婚式の祝儀とは?基本マナーを押さえよう①

結婚式の祝儀とは?基本マナーを押さえよう

祝儀の意味と由来

結婚式の祝儀とは、新郎新婦の門出を祝う「お祝いの気持ち」を形にした贈り物であり、日本の伝統的な慣習のひとつです。古くから日本では、冠婚葬祭の場において金銭を包んで渡す習慣が根付いており、それは「人との縁を大切にする」という文化的背景に基づいています。特に結婚式は人生の大きな節目であるため、祝儀は単なる金銭的な支援にとどまらず、「これからの人生を応援します」「末永くお幸せに」という思いを込めたメッセージの役割も担っています。また、祝儀は新生活を始めるふたりにとって実際の生活費の一部にもなり得るため、実用性と精神的な意味をあわせ持つ大切な贈り物です。

なぜマナーが重要なのか?

祝儀には、金額の相場、渡し方、祝儀袋の選び方や表書きの書き方など、意外と多くのマナーが存在します。これらのマナーは、受け取る相手に対する敬意や配慮の表れであり、丁寧な心遣いを示すための大切な手段です。結婚式というフォーマルな場では、ちょっとしたマナー違反が思わぬ誤解や不快感を招いてしまう可能性もあります。例えば、金額の「割り切れる数字」や不適切な袋の使用などは、知らずに行うと失礼になってしまうことも。逆に、マナーをしっかり押さえておけば、相手に安心感や信頼感を与えることができます。そういった意味でも、祝儀のマナーを事前にきちんと確認しておくことは、思いやりのある大人としての第一歩とも言えるでしょう。


祝儀の金額はいくらが適切?ケース別に解説

友人・同僚の場合の相場

一般的に、友人や同僚へ贈る祝儀の金額は 3万円 が基本です。学生や20代前半など経済的な事情がある場合は 2万円 でも失礼にあたらないとされています。ただし、2万円は偶数で「割り切れる(別れる)」とされるため、1万円札+1万円札+5千円札2枚など、奇数枚になるよう工夫しましょう。

上司・会社関係の場合の相場

会社の上司や取引先など、目上の方の結婚式では 3万円〜5万円 が目安となります。会社の立場や関係性、また自分が結婚したときにいただいた金額も参考にすると良いでしょう。

親族・兄弟姉妹の場合の相場

親族の場合は関係性の深さによって異なり、

  • 兄弟姉妹:5万円〜10万円
  • いとこ:3万円〜5万円 が一般的です。特に親密な場合は、少し多めに包むのが好印象です。

既婚・未婚・年齢による金額の違い

未婚・既婚にかかわらず、収入や立場によって金額は変動します。30代以上、あるいは既婚者で家庭がある場合は 3万円以上 を包むのが一般的な傾向です。


祝儀袋の選び方と書き方マナー

水引の種類と意味

祝儀袋の水引は、「結び切り」と呼ばれる一度結ぶとほどけない結び方が一般的です。これは「一度きりのお祝いでありますように」という意味が込められており、結婚祝いにふさわしいとされています。

名前の書き方と筆ペンの使い方

祝儀袋の表書きには「寿」や「御結婚御祝」などと記し、その下に自分のフルネームを楷書で書きます。筆ペンや毛筆を使い、丁寧に書くのがマナーです。ボールペンやサインペンは避けましょう。

中袋の書き方・入れ方

中袋には金額と名前、住所を記入します。金額は「金参萬円」など漢数字で書き、封はのり付けしないのが通例です。お札は新札を用意し、肖像画が表側・上になるようにそろえて入れます。


祝儀の正しい渡し方とタイミング

受付でのマナーと渡し方

受付では、祝儀袋を袱紗(ふくさ)から取り出し、両手で丁寧に差し出します。「本日はおめでとうございます。○○よりお預かりしております」など、ひと言添えるのが基本マナーです。

手渡しする際の一言マナー

受付が設けられていない場合や、ごく少人数の結婚式では直接新郎新婦やご家族に手渡すことも。その際は「心ばかりですが、お祝いをお持ちいたしました」と丁寧な言葉で渡しましょう。

遅れて出席する場合の祝儀対応

結婚式に遅れて出席する場合も、祝儀は通常通り用意しましょう。可能であれば事前に郵送するか、式当日に受付または新郎新婦の家族へ直接渡します。手渡しが難しい場合は、後日改めてお祝いを届けるのも一案です。


やってはいけない祝儀マナーNG集

偶数金額や新札はNG?

偶数(2万・4万・6万など)の金額は「割り切れる=別れる」とされ、避けられがちです。ただし2万円を贈る際には、奇数枚で構成すればOKとされています。新札は基本的に良い印象ですが、あまりにパリッとしすぎていると「事前に準備していた=不祝儀のようだ」と感じる方もいますので、軽く折り目をつけても問題ありません。

不適切な袋・書き方の例

キャラクター付きやカジュアルすぎるデザインの袋、文字がにじんで読めない、略字を使っているなどはNG。祝儀袋はシンプルで上品なものを選び、筆記も丁寧に仕上げましょう。

金額不足や渡し忘れの対処法

うっかり金額が少なかった場合や、渡し忘れに気づいた場合は、すぐに新郎新婦にお詫びの連絡を入れましょう。その上で、速やかに不足分を現金書留や後日の訪問などで補うのが誠意ある対応です。


まとめ|正しい祝儀マナーで感謝の気持ちを伝えよう

祝儀は単なるお金のやりとりではなく、お祝いの気持ちを形にしたものです。金額や袋の選び方、渡し方にマナーがあるのは、その気持ちをきちんと伝えるため。しっかりと基本を押さえて、心からの祝福をスマートに届けましょう。

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